[ 1.08MB- MP3 ] 【青樺】 「うっ・・・やめろ・・・」 濡れた唇が、胸元に降ってきた。 まるで生き物か何かのように、ぬるぬると肌を滑る感触に、 俺は、眉を寄せた。 旺珂を押しのけようにも、両手は手首を旺珂につかまれて、 寝台に押し付けられている。 脚も、上半身も、ほとんど動かせないほど完璧に押さえ込まれていた。 だから、されるがままに、旺珂の唇を受け入れるしかない。 【青樺】 「・・・あっ・・・旺珂、やめてくれ・・・」 ゆっくりと流れてきた唇が、小さな胸の突起を捕らえた瞬間、 ビリッと鋭いしびれが走った。 唇ではさまれ、熱い舌に触れられると、むずがゆいような熱が生まれる。 それは、そのまま腰へと流れ込んでいくようだ。 【青樺】 「んっ・・・あっ・・・旺珂・・・やめっ・・・」 旺珂の舌が胸の突起をくすぐってくるから、拒絶の言葉が、 うまく口から出てこない。 それどころか、きつく吸われてビクンッと体がはねた。 【青樺】 「・・・やめてくれ・・・あっ・・・旺珂・・・」 一度離れていった旺珂の唇が、反対側の突起を襲う。 軽く歯を立てられ、舐められ、それは痛いほどに熱くなっていった。 さっきまでいじられていた方も、熱が引かずに、甘くうずいている。 触れられているのは胸だけのはずなのに、 下半身の中心まで熱くなっていた。 体から力が抜けて、もうまともに抵抗できそうになかった。 それがわかっているのか、旺珂は、 俺の手首を押さえていた右手を伸ばして、 開いている方の胸の突起を指ではさんだ。 【青樺】 「んっ・・・あっ・・・いやだっ・・・」 片方ずつでもつらかったのに、両方同時にいじられたら、 もうおかしくなりそうだった。 旺珂の体にはさまれた俺のものは、衣で押さえつけられているのが、 苦しいほどに、熱くなっている。 それを旺珂に気付かれるのが嫌で、なんとか逃れようともがく。 けれど、それは、逆に、高ぶったものを、 たくましい旺珂の腰にこすりつける結果になってしまった。 【青樺】 「うっ・・・離して、くれ・・・あっ・・・あぁっ・・・」 逃げようとした罰とばかりに、 指にはさまれた胸の突起が、痛いほどにひねられる。 同時に、旺珂の口に含まれていた方も、きつく歯を立てられる。 痛みと同時に、耐えがたいほどの熱が生まれて、 旺珂に押さえつけられた体が、ビクッと震えた。 【旺珂】 「青樺」 俺の胸から顔を上げた旺珂が、じっと俺を見下ろしている。 俺は、肩で息をつきながら、旺珂を見上げていた。 このまま、旺珂の愛人にされてしまうのだろうか? そんなのは嫌で、逃げ出したいと思うのに、 手足がしびれたようになっていて、体が動かない。 とうとう旺珂の手が、下半身を隠してくれている衣にかかった。 【青樺】 「旺珂。やめてくれ」 そこがどうなっているか、自分でもよくわかっていたから、 俺は、懸命にもがいた。 けれど、旺珂の手は、難なく俺の脚を押さえつけて、 熱くなった下半身をあらわにしていく。 息をのむ気配がして、旺珂が俺の上から離れていった。 自分も衣を脱ぐつもりなんだろう。 衣ずれの音がする。 【青樺】 「見ないでくれ」 俺は、そのすきに、重い体を動かして、うつ伏せになった。 【旺珂】 「今さら逃がしてやらない」 素早く衣を脱ぎ捨てた旺珂が、逃げようとした俺の腰をつかんで、引き寄せようとする。 【青樺】 「旺珂。頼むから、もう・・・・・・」 旺珂に抱かれてしまったら、 もう、信頼しあった仲間になりたいなんて言えなくなってしまう。 逃げようともがいたけれど、せまい寝台の上では、 逃げ場所なんて、どこにもなかった。 すぐに、窓際に追いつめられてしまう。 【青樺】 「あっ・・・旺珂・・・」 背中に舌を這わされて、ゾクッとした。 窓際に追いつめられ、旺珂に背中から抱きとめられた俺には、 もう逃げ場がない。 指の色が変わるほどきつく窓枠を握りしめて、 まぶしすぎるほどまぶしい青空を見つめていることしかできない。 【青樺】 「うっ・・・旺珂、やめてくれ」 そんな俺の背に口付けを落としながら、 旺珂の指が秘められた蕾に触れてきた。 自分ですら触ったことのない場所を、柔らかく撫でられる異様さに、 うめき声が漏れる。 強張った背中をなだめるように、 旺珂の唇が這い、熱い舌が舐めていった。 ザワザワと妖しいざわめきが、 硬い蕾をいじられる気持ち悪さと混ざり合って、俺を苦しめる。 【青樺】 「ううっ・・・旺珂・・・」 ゆっくりと旺珂の指が、蕾の中に押し入ってきた。 せまい中を押し広げられる痛みに、涙がにじんだらしい。 見上げた空が、ぼやけていた。 【旺珂】 「力を入れるな」 欲望にはやった旺珂の声が、無情に命じてくる。 【青樺】 「くっ・・・はぁ・・・」 俺には、それに従う以外の道は残っていなかった。 逃げる場所も、旺珂の心を変えさせる言葉も、 どこにも見つからなかったから。 俺は、大きく息を吐いて、何とか体の力を抜こうと努力した。 そのすきに、旺珂の指が深くもぐりこんでくる。 指の動きに合わせて、せまい中を無理に広げられる苦痛が生まれた。 それをやり過ごすために、俺は、ただ懸命に深い呼吸を繰り返す。 旺珂も、なだめるような柔らかい口付けを、 俺の背中にいくつも落としていった。 そして、旺珂の指が根元まですっかり俺の中に埋まった時、 束の間の静寂が訪れる。 拒むようにきつく締め付ける蕾が柔らかくなるまで、 旺珂はじっとそのままにしていた。 俺も、ただ深い呼吸を繰り返して、 少しでも体から力が抜けるよう、気持ちを静める。 俺たちは、ただお互いの呼吸の音だけを聞いていた。 【旺珂】 「そろそろ、いいか?」 けれど、その静けさは、旺珂の一言で、いとも簡単に破られる。 【青樺】 「うっ・・・はっ・・・はぁ・・・」 旺珂の長い指が、蕾の中をまさぐり、ほぐしながら、 柔らかな中をかき混ぜ始めた。 痛みと奇妙なうずきが一緒になって、俺から考える力を奪っていくようだ。 痛みに慣れたのか、少しずつ苦痛があいまいになっていった。 俺は、うめき声と荒い息遣いを零しながら、 ただ旺珂の指を受け止め続ける。 【青樺】 「・・・んっ・・・くっ・・・旺珂・・・やめっ・・・!」 ぼんやりし始めていた俺は、 いきなり、体が強張るほど鋭い疼きを与えられ、 高い悲鳴を上げてしまった。 気持ちいいなんて言えない、苦しいほどの刺激なのに、 旺珂の指が、そこに触れる度、確かに体が熱くなる。 【青樺】 「・・・あっ・・・やめっ・・・旺珂・・・やめて、くれ・・・」 体の奥から沸きあがってくる熱に、 頭も、体も、おかしくなってしまいそうだった。 しつこいほどにそこばかりを責められて、 一度も触れられていない俺のものが、どんどん熱を持っていく。 蕾の中で動き回る指に、痛みを感じることも、ほとんどなかった。 引き抜かれては、突き込まれる指の動きに合わせて、 少しほどけてきた蕾が、妖しく絡みついていく。 【青樺】 「・・・んっ・・・はぁ・・・あっ・・・やっ・・・」 口をついて出る声は、自分のものとは思えないほど、 甘ったるく濁っていた。 けれど、それを我慢する余裕もなくて、 俺は、だらしなくゆるんだ口から、 甘い吐息とあふれる唾液をこぼし続ける。 【青樺】 「あっ・・・はっ・・・あぁ・・」 放っておかれている前が苦しくて、思わず自分の指を絡めてしまった。 【旺珂】 「そろそろ平気になったか?」 それに気付いた旺珂が、低く耳元でささやいてくる。 急に恥ずかしくなって、俺は、慌てて手を引っ込めようとした。 それなのに、旺珂の手が素早く重なってきて、 そのまま俺の手ごと握りこまれてしまう。 初めて与えられた刺激に、俺のものは、 あっという間に、はしたないほど濡れてしまった。 俺の手も、旺珂の手も、あふれてきた雫が、汚していく。 その間も、旺珂の指は、俺の中で動き続けていた。 【青樺】 「・・・あっ・・・もう・・・」 前も、後ろも感じる場所に旺珂の指が触れていて、 おかしくなってしまいそうだ。 自然に腰がゆれて、まるでねだっているようで、恥ずかしい。 【旺珂】 「大丈夫そうだな」 旺珂の言葉に、熱くなっていた頬が、さらに熱くなる。 旺珂は、俺の前を少し痛いくらいに握りしめたまま、指を引き抜いた。 その衝撃にすくんだ体を、旺珂の両手がしっかりと抱きしめてくる。 急に指を解かれたものが、ポタポタと雫を零して、俺は、甘く息を吐いた。 【青樺】 「ぐっ・・・うわぁっ・・・」 瞬間、旺珂の熱く高ぶったものが押し付けられ、一気に貫かれる。 体を引き裂かれるような痛みに、俺は、窓際だと言うことも忘れて、 高い悲鳴を上げていた。 自然に浮かんできた涙のせいで、外に人がいるかどうか見えない。 けれど、どうせ、辺りの様子を確かめている余裕なんてなかった。 【青樺】 「うっ・・・くっ・・・旺珂・・・苦し・・」 深々と貫かれて、休む間もなくゆすぶられる。 ギリギリまで引き伸ばされた蕾がきしんで、悲鳴を上げていた。 俺の方は、悲鳴を上げることもできずに、鈍いうめき声を上げながら、 ただ旺珂の動きを受け止めていた。 【青樺】 「・・・んっ・・・はっ・・・はぁ・・・」 ゆるく腰をゆらす旺珂の動きに合わせて、荒い息を繰り返す。 ゆすぶられ続けた体は、せり上がり、窓から落ちそうだった。 そんな俺を、旺珂のたくましい腕が、しっかりと支えている。 汗に濡れて、強張った背を、旺珂の唇が、なだめるように撫でていった。 【青樺】 「・・・やっ・・・くっ・・・あぁ・・・」 せまい中をかき混ぜる旺珂のものは、 俺の感じる所を確実にとらえていたみたいだ。 無理矢理広げられる痛みに慣れてきた途端、 苦しいほど甘い刺激が生まれる。 それが、甘ったるい喘ぎになって、俺の口から零れ落ちた。 【青樺】 「・・・んっ・・・はっ・・・んんっ・・・」 一度甘さを覚えてしまうと、体は、確実にその甘さを追いかけていく。 ゾクゾクとした疼きが、蕾から生まれて、前を熱くしていった。 ポタポタと濃い雫が、窓から下の地面へと滴り落ちていく。 もしも、人が下を通っていたら、なんて言う心配は、 すぐに、かすかな痛みと苦しいほどの甘さに飲み込まれてしまった。 【青樺】 「うっ・・・あっ・・・やぁ・・・」 熱く高ぶったものが、俺の感じる所をこすり上げ、 さらに奥まで貫いていく。 俺の体は、それを受け入れることで与えられる甘さに、 すっかり溺れていた。 旺珂の動きに合わせて抜けていくそれを引き止めようと、 濡れた蕾が絡み付いていくのと止められない。 【青樺】 「・・・んっ・・・ふっ・・・旺珂・・・あっ・・・いやっ・・・」 自然に口を突いた名前に誘われるように、 片手でしっかりと俺を支えた旺珂が、スルリと前を握りこんでくる。 前も、後ろも、感じすぎて苦しいほどだった。 時に優しく、時に激しく、旺珂のものが俺の体を貫き、かき回していく。 濡れた手が、硬く張りつめたものを、 追いつめるようにしごき、先端に爪を立ててくる。 【青樺】 「・・・はっ・・・あっ・・・駄目っ・・・」 一瞬、頭が白くなるほどの刺激が、体を駆け抜けていった。 【青樺】 「・・・あっ・・・いやっ・・・ああぁっ・・・」 俺のものを痛いほどに強くしごき上げた旺珂の手が、腰にかかる。 しっかりと腰をつかまれて、俺の体を引き寄せるようにして、 深々と貫かれていた。 瞬間、俺は、耐え切れずに、熱を解き放っていた。 白い欲望が、青い空へと放たれる。 |