下履きは脱がせないまま、貴沙烙は、自分の衣を脱ぎ始めた。

夏の日差しを受けて、均整のとれた体で汗が光っている。

 

【貴沙烙】

「おいで」


 

そんな貴沙烙の裸に目を奪われていたら、ふっと腕をつかまれた。

そのまま、引っ張り起こされる。

 

【青樺】

「貴沙烙・・・んっ・・・んんっ・・・」


 

膝立ちのまま、腕をつかまれて、口付けられた。

しっかり引き寄せられて、熱く高ぶったものが、

貴沙烙の腰に押し付けられる。

口付けで体がゆれる度、俺のものと貴沙烙のものが、

まともにこすれあって、ゾクゾクと体がうずいた。

 

【青樺】

「んっ・・・あっ・・・待って・・・んんっ・・・」


 

口付けの余韻も消えないまま、貴沙烙は、わざと腰をこすりつけてくる。

たちまち、貴沙烙のものも熱くなっていった。

その熱が、俺の体に流れ込んでくるような気がした。

逃げようともがいても、貴沙烙の腕にしっかりと押さえられていて、

自分から腰をこすりつける結果になってしまった。

濡れたものがこすれ合う生々しい音が部屋に満ちていく。

 

【青樺】

「・・・やっ・・・あっ・・・」


 

手でするのとは違う、中途半端で大雑把な刺激なのに、

体はどんどん熱くなっていった。

滴る雫が、俺のものと貴沙烙のものを濡らしていく。

 

【青樺】

「んっ・・・痕が・・・」


 

首筋から胸元へと、貴沙烙の唇が這っていった。

その唇が、鎖骨を軽く噛み、痛みを残すほどに吸い付いてくる。

 

【貴沙烙】

「すぐ消えるさ」


 

俺の抗議を無視して、貴沙烙は反対の鎖骨に歯を立ててきた。

それから逃れようともがく度に、自分から貴沙烙へ腰を押し付けて、

熱くなったものをこすりつけてしまう。

それがわかっているから、貴沙烙は、

何度も繰り返し俺の肌をきつく吸い、甘く噛んでいった。

 

【青樺】

「んっ・・・痛っ・・・あっ・・・貴沙烙・・・」


 

柔らかな肌は、赤くなり、ちりちりと痛む。

けれど、かすかな痛みは、すぐに甘い疼きへと変わっていった。

歯を立てられ、きつく吸われた場所から、じんわりと熱が広がって、

高ぶったものから雫をにじませる。

 

【青樺】

「・・・あっ・・・んっ・・・あぁ・・・」


 

濡れて密着した互いのものが、ドクドクと脈打っている。

少しずれて脈打つ震えが、敏感な場所を震わせ、

甘ったるいうずきを生んだ。

目の前がかすんで、与えられる甘ったるい熱しか感じられなくなる。

肌を這う貴沙烙の唇の感触と濡れた音を立てながら

こすれあう互いのもの。

それだけが、すべてだった。

いっそ自分の手で追い立てて、さっさといってしまいたいほど、

感じている。

 

【青樺】

「・・・はぁ・・・貴沙烙・・・」


 

けれど、貴沙烙の前で自分のものに触れることなんてできなくて、

強い刺激を求めて、貴沙烙にすがりつく。

自分から体をゆらして、腰をこすりつけていた。

貴沙烙の動きと自分の動きと、バラバラの動きに、

体にはさまれた二人のものが、もみくちゃにされる。

クチュクチュと濡れた音が激しくなった。

 

【青樺】

「・・・んっ・・・あっ・・・あぁっ・・」


 

無我夢中で貴沙烙のものにこすりつけた時、

ドクッと激しい震えが走った。

のけぞって離れそうになる体を、貴沙烙の腕が強引に引き寄せる。

限界を訴えて、ビクビク震えるものが、

互いの体できつくこすり下げられ、ドクッと熱がはじける。