「旺珂? 何を見ているんだ?」 「青樺か。雪を見ていたんだ」 「雪? そうか。いつの間にか、降ってきたんだな。道理で寒いわけだ」 「青樺の体は温かいな。酒を飲むより体が温まりそうだ」 「んっ・・・旺珂、くすぐったい」 「湯の臭いがする。温泉はどうだった?」 「やっ・・・どこ、触ってるんだ・・・あっ・・・離せ」 「せっかく来たからには、やはり温泉ぐらい入るべきだろうな」 「だったら、さっさと・・・んっ・・・行ってこいって・・・うっ・・・」 「まだ駄目だ。もう少し雪を見ていたい」 「旺珂が・・・あっ・・・そんなに、雪が・・・好きだとは・・・」 「知らなかったか?」 「知らなかった」 「好きだ。特に夜更けに降る雪は」 「んっ・・・いい加減にしてくれ」 「俺は、今は何もしていない。ただお前を抱いているだけだ」 「耳元で話さないでくれ。後、衣の中に手を入れるのも」 「青樺。お前は、雪が好きか?」 「あんまり。雪が降ると、毎日のたきぎを集めるのも、水を汲むのも、何もかもが大変になるから」 「ならば、今日から好きになれ」 「そんなこと無理だ」 「俺が雪の良さを教えてやる」 「その前に、俺を放してくれ」 「駄目だ」 「あっ・・・待てよ・・・んっ・・・ふぅ・・・」 「邪魔だな。いっそ下は脱がせてしまうか」 「雪は・・・あっ・・・どうしたんだ・・・」 「ゆっくり話してやるよ」
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