STORY

フランスで革命に続くナポレオンの絶頂期に陰りが見え始めた頃、同じように王族を追放し、議会政治とアフリカ大陸への進出を図った国があった。しかし、新しい法律が作られ、新しい政府が新しい政治を始めても、変わらない場所がある――理不尽な暴力に支配された刑務所。

そこに、一人の少年・ガイズが送り込まれてきた。罪状は“殺人”、判決は“終身刑”。
しかし、彼は殺人など犯していなかった……。街中で不良仲間と万引きをして、逃げているところを警官に捕まった彼は、取調べの席で謂れのない殺人の余罪を追及されて、不当な裁判により、刑に服することになってしまったのだった――。
では、殺されたのは誰で、なぜ殺されたのか? そして、誰が殺したのか?

刑務所の中でガイズが目の当たりにするのは、生々しい暴力と欲望、心を病んだ奇妙な囚人たち、そして仲間と信じた少年達の裏切り……。
絶望と恐怖の中で、それでも、少年は諦めずに真実を追い求める。
そんな彼に力を貸してくれたのは、それぞれに心の闇を抱えた者たちだった――アル中の弁護士、不良少年といじめられっ子、元新聞記者や元軍人、そして精神を冒されている奇妙な狂人……。

彼らの経験と知識、情報を組み合わせた時、少年が巻き込まれた恐ろしい陰謀とこの刑務所の暗い秘密が明らかになっていく……
そしてガイズは、自分の周囲の仲間達も、彼と同様に何者かに謂れのない汚名や罪を着せられて、望まずに現在の境遇に貶められていたことに気付いていく――自分が離れている間に尊敬する者を奪われ、怒りを抱える者。圧倒的な権力にねじ伏せられて、絶望から真実に目をつぶった者。その過酷な現実から逃避するために心すら壊してしまった者……。

「自由になりたい…」

ガイズの強い思いと行動は、彼ら傷ついた仲間の心に届くだろうか? そして彼らの心に、どんな変化を引き起こすのだろうか?


――真実を明らかにして自由をこの手に取り戻した時、ともに喜びたいのは、あなたなら誰ですか?
いいえ、その前に、あなたは真実を明らかにすることができるでしょうか?
『冤罪』『死の刑務所』『権力者の陰謀』――少年を待ち構えているのは絶望か、それとも自由か。少年の未来は今、あなたの手の中に……。


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