「旺珂様、お目覚めですか?」 「ん? あ、ああ、怜迅か。起きている」 「お疲れみたいですね」 「いや、そんなことはない」 「そろそろ食事の時間ですが、いかがなさいますか?」 「そうか。もうそんな時間か。では、そろそろ起きるか」 「はい。では、お召し物を」 「ああ。頼む」 「戦場でもよく眠れていると思っていたが、やはり城で寝るのとは目覚めが違うな」 「私もそう思います」 「これが、自分の城であったら、もっと気分がよかったのだろうが」 「そうでございますね」 「今日は、こちらでよろしいですか?」 「ああ。かまわない」 「寝ている間に、少し汗をかいたらしいな」 「昨夜は、少し暑かったですからね。お湯でも、お持ちしますか?」 「ああ。そうだな。井戸まで行って水浴びするのも、わずらわしい。頼むとするか」 「では、少々お待ちを」 「ああ」 「やはりあれだけの戦をした後は、さすがに疲れが出るな。今日は、怜迅とゆっくり過ごすか」 「お待たせしました」 「怜迅か。早かったな」 「食堂で沸いていた湯をもらってまいりましたから」 「そうか」 「どうぞ。熱すぎたり、ぬるすぎたりしたら、おっしゃってください」 「いや、ちょうどいい熱さだな。このぐらい熱いと、体がシャキッとしてよいな」 「お背中は、私がやりましょうか?」 「ああ。頼む」 「はい。では、失礼して」
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